リフォーム

住まいの維持・保全

住宅と長くつきあうために
 定期的な清掃や点検は、水や雨・雪で濡れやすい部位、湿気や結露を生じやすい部位、日光があたる部位を中心に行います。これらの部位での傷みや故障は建物の耐久性に著しい影響を与えます。また、内装や設備機器などは、直接は建物の耐久性に影響しませんが、快適な暮らしのためにも日常の清掃や点検が望まれます。 経年で起こる痛みや故障の場合、大きな修繕や交換が必要となる前に何らかの兆候が現れます。
 定期的に点検を行えば大きな傷みとなる前に対処でき、費用も少なくて済みます。計画的な保存と日常のメンテナンスが、経済的に住まいを長持ちさせる秘訣です。また、設計図書や補修・交換の記録を保全しておくと役立ちます。

屋 根 傾斜屋根では、雪が屋根面を滑り落ちる際の摩擦で塗装が剥がれたり、日射により塗膜が劣化します。また、雪止め金具の取り付け部はさびが発生しやすく、さびたまま長年放置しておくと雨漏りの原因にもなります。できれば、年に-度は点検しましょう。

無落雪屋根ではスノーレーンやドレーンパイプに枯れ葉やどニールなどのゴミがたまっていると、スムーズな排水ができなくなり漏水の原因になります。屋根に雪が積もる前を目安に必ず点検を行います。

カラー亜鉛鉄板の塗装は、変色してきたり、表面に白っぽい粉が出てきたりしたら、塗り替えの時期です。塗り替え時期は使用条件によって異なりますが、一般に5~10年です。
外 壁 窯業系や金属系のサイディングでは、1~2年ごとに水洗いをし、浮き上がりの大きい釘頭は金槌で打ち込みます。塗装の部分的なキズや剥がれはそのつど塗装します。全面的な塗り替えは5~10年を目安に行います。

継ぎ目や窓まわりのシーリング材は3~5年を目安に点模を行い、サイディングやサッシなどとの分離やひび割れがあれば、凍害や漏水の原因になりますので、その部分を打ち直します。

窓サッシの両端や換気フード下などに筋状の汚れが生じているのは、水切りが原因です。塗膜や壁材の劣化につながりますので、水返しや伝い水防止水切りを付けるなどして水が直接壁を流れないようにします。
窓・ドア アルミサッシやプラスチックサッシでは、下枠の溝にたまったゴミやほこりの清掃が主です。海岸地域では、アルミサッシに塩分が付いたままでは腐食を生じやすいので、時々水で洗い流します。

外部に面する木製の窓やドアの塗膜の防水性が失われると腐れなどの劣化が生じやすくなります。塗膜が水をはじかなくなったり、ひび割れ、剥がれを生じてきたら塗り替えます。

塗り替え時期は、油性調合ペイントでは2~3年、合成樹脂調合ペイントでは4~5年を目安とします。
内 装 カーペット こまめに掃除機をかけ、その後カーペットローラーを使うと効果的です。置き敷きカーペットなら、屋外でほこりをたたき出してから、中性洗剤でクリーニングを行います。
木質フローリング 水拭きを避け、乾いた布で汚れを拭き取ります。2~3ケ月に一度のワックスがけが長持ちの秘訣です。
塩ビシート 固く絞った雑巾で拭き、汚れが目立つ場合は住まいの洗剤を使ってふき取りします。シンナーなどの溶剤の使用は避けて下さい。
普段はから拭きし、虫干しは必ず畳を裏返しにして行います。畳表は直射日光を当てると変色します。
ビニールクロス 直射日光や熱・火で変色したり焦げたりしますので注意して下さい。手垢汚れは消しゴムで落とせます。汚れが目立つ場合には住まいの洗剤で落とします。シンナーなどの溶剤の使用は避けて下さい。
布クロス・紙クロス はたき(ナイロン製)を使えば静電気でほこりはとれます。汚れの目立つ部分は歯ブラシで軽く叩くようにこすって下さい。
陶磁器質タイル 風呂用洗剤で汚れを落とします。クレンザーやスチールたわしはタイルの表面を傷つけ、艶もなくなってしまいますので使用を避けてください。
基礎・床下 基礎コンクリートやモルタルは、乾燥収縮によるひび割れを避けられません。ひび割れは新築後、半年から数年の時間をかけて生じることが多く、年に一度程度は見て回りましょう。一般地域ではひび割れ幅が0.2mm以下であれば特に補修の必要はありませんが、ひび割れ幅が0.4mm以上であれば、樹脂を注入したり、Uカットしてシーリング材を注入して補修します。

基礎にある換気口は、土台などの構造体が床下の湿気により腐るのを防ぐためのものです。夏場は必ず換気口を開け、床下の湿気を逃がし、腐朽菌の発生を防ぐことが大切です。できれば年に一度は床下を点検したいものです。
換気設備 日常的な点検として、フィルターの清掃があります。フィルターにゴミやほこりが付着して目づまりを起こすと、換気量が著しく減少し、室内空気の汚れや臭いの原因になります。強制給排気方式の換気設備で熱交換器のあるものは、熱交換素子パックにも目づまりを生じますので、この清掃も忘れないで下さい。
暖房・給油ボイラー FF式ボイラーの点検・管理方式は、ボイラー備え付けの取扱説明書によりますが、特に、エアーフィルターにゴミやほこりが付着して目づまりをおこすと点火しなくなるので、こまめな清掃が必要です。また、給排気管の抜け、雪への埋もれ、ビニール袋などのからみつきなどの点検も重要です。

このほか、異常音・こげくさい(試運転時には多少臭うことがある)・煙・本体からの水漏れ・油もれなどがないか点検します。温水暖房システムでは、暖房用システム水の圧力計の目盛りが低下していないか(ゼロに近い)、リザーブタンクの水位が低くないか、使用中の不凍液が2年以上経過したままでないか、などの点検を行います。