見積書
見積書の依頼と比較検討 ~ 見積書を依頼しましょう
専門家に相談し、リフォームの内容とおおよその予算が決定したら、業者を幾つかにしぼり、見積もりを依頼します。 工事価格を把握するためにも「見積もりを取らずに契約したら多額の費用を請求された」などのトラブルを避けるためにも契約前には必ず見積もりを取りましょう。
見積書ってどんなもの?
見積書は希望するリフォームの工事内容と金額が示されたものであり、どこにどういった設備機器や材料を使うかを細かく記した仕様書と、工事の内容を示す図面をもとに算出されます。
複数の業者から見積もりを取りましょう |
工事金額が適切な価格であるか知るためにも、あなたに最もあった業者を選ぶためにも複数の業者に見積もりを依頼しましょう。また、比較しやすいよう各社に同じ内容を伝えましょう。 |
現場を見てもらってから、見積もりを取りましょう |
リフォームを行う部分がどういった状況にあるのか、単純に作業部分だけでなく、実際に現場を訪れ周囲の状況を確認しなければ正しい見積もりを出すことはできません。 |
工事の合計金額のみの記入ではなく、工事内容別に内訳がわかる見積もりが大事です。 工事の内容を示す図面と使用機器・材料などを書いた仕様書も忘れずにもらいましょう。
工事の合計金額のみの記入ではなく、工事内容別に内訳がわかる見積もりが大事です。
工事の内容を示す図面と使用機器・材料などを書いた仕様書も忘れずにもらいましょう。
材料費や人件費など各項目ごとに細かい内訳が出ているか確認しましょう 。
■「一式」というような大まかな見積もりには注意しましょう。
■「諸経費」という項目があちこちに見られる見積もりには注意しましょう。(「諸経費」は工事の規模および業者によって様々ですが、極端に多い経費には注意しましょう。また、「諸経費」について気になる場合は、経費の内容について業者に聞いてみましょう。)
単に金額だけでなく、プランの内容についても確認しましょう
■希望したプランに漏れはありませんか?
■壁紙や設備機器など品番や価格に間違いはありませんか?
■その他、プランに不満はありませんか?
見積金額以外にかかる費用についても確認しましょう
■見積書に表記された以外にも必要な費用が出てくることがないかどうか確認しましょう。
施工業者
信頼できる業者を選びましょう
リフォームエ事は新築住宅とは異なる専門知識や技術が必要です。 リフォームに関する提案力、施工能力があり、コミュニケーションのとりやすい業者を選びましょう。
■要望に対し適切・適格なリフォーム技術で対応してくれる
■リフォームの専門的技術を持っている
■リフォームの実績が多くある
■説明がわかりやすい
■話を良く聞いてくれる
■迅速な対応
■しっかり確認してくれる
■要望に対し適切・適格なリフォーム提案をしてくれる
■リフォームに関する最新の情報を多く持っている
■図面・図書を作成して説明してくれる
良質なリフォームを適切な価格で行う業者を選びましょう。
「工事金額が安いのでお願いしたら、手抜き工事が発覚した」「簡単なリフォームのはずが多額の工事金額を請求された」など、リフォーム業者の中には良心的な業者だけでなく、悪徳業者も少なくありません。質と価格の関係を見極め、良質なリフォームを適切な価格で行う業者を選びましょう。
信頼満足できる業者
では実際、信用のおける業者、満足できる業者はどんなところなのでしょう。チェックしてみましょう。
リフォームの実績はあるか | 約束の時間を守るか |
施工事例を快く見せてくれるか | 小さな相談でも面倒がらずに応えてくれるか |
住宅に関する専門知識・技術があり専門資格を持った人がいるか | 担当者の態度や言動に不審な点はないか |
事前に、きちんと調査を行うか | 担当者と旨くコミュニケーションがとれるか |
工事完了のアフターサービスがあるか | ユーザーの話をじっくり聞いてくれるか |
工事中の火災など万が一の時の保証があるか |
契約
必ず契約書を取り交わしましょう
施工業者が決定したら、どんな小さなリフォームでも契約書を取り交わすことが大切です。トラブルを避けるためにも、必ず契約書を取り交わしましょう。
契約とは
契約とは、契約当事者の双方が合意することです。双方が合意すれば、文書で契約を交わさなくても、口約束で契約が成立します。 契約書は、一方が約束を実行しなかった場合に、約束通りに実行するよう要求するための証拠となります。
契約とはお互いが対等関係で結ぶものです
契約書はその責任のあかしです
契約のポイント
必ず書面による契約を結びましょう。
契約時にはできるかぎり、身内や知人など第三者に立ち会ってもらいましょう。
見積内容や設計図に納得してからエ事請負契約を結びましょう。
急がず、ゆっくりと、よく内容を確認してから契約しましょう。
施工中に状況が変わる場合は変更や再契約が必要になります
契約を交わす場合、「工事請負契約書」のほかに、具体的なエ事の内容を記した書類を添付する必要があります。この添付書類はトラブルの際、解決の手がかりとなる大変重要なものです。
必要に応じて添付する書類
契約約款 | 契約に付随する事項を箇条書きにしたもので、「工事請負契約書」を補足するものです。 不可抗力※1、履行遅延違約金※2、契約の解除、瑕疵担保責任※3、紛争の解決方法などが明記されますが、専門用語や難解な表現が使用されている場合もありますので、時間をかけてしっかり確認し、不明な点を残さないようにしましょう。 |
設計図書 | 工事にかかわる図面一式です。工事内容について詳しく図面化されたもので、これに基づいて工事が進められます。 |
見積書 | 設計図書をもとに工事費を積算したものです。工事費の内訳が記されており、契約金額の根拠となります。見積書の書式や数量の計算方法は業者によって異なります。 ※1 不可抗力:天災・自然的・人為的理由などの注文者の責任でも請負者の責任でもない場合 ※2 履行遅延違約金:請負者の都合で工事が遅れた場合の損害金 ※3 暇庇担保責任:完成引き渡し後に欠陥が見つかった場合に、請負者が注文者に対して負う保証 |
必ず添付が必要な書類
保証書 | 請負者が無償の修理を保証する年数や基準などが明記されたものです。 |
免責事項 | 保証書の内容に当てはまらない場合を箇条書きにしたものです。 |
保証約款 | 保証書に付随する事項を箇条書きにしたものです。 |
しっかり確認、トラブルを防ぎましょう
契約を交わす場合、「工事請負契約書」のほかに、具体的なエ事の内容を記した書類を添付する重要があります。この添付書類はトラブルの際、解決の手がかりとなる大変重要なものです。
工事内容では、次の事項を確認しましょう
工事の内容 | 図面や仕様書とあっていますか。 |
工事期間 | 打ち合わせた日程とあっていますか。無理のない日程になっていますか。 |
工事金額 | 見積書、資金計画とあっていますか。 |
支払い方法 | 支払い時期・金額に間違いはありませんか。 (融資を利用する場合についても記載されていますか。) |
引き渡し日 | 引き渡しが遅れた場合の保証について確認しましょう。 |
保証 | 注文者に保証人をおくように要求された場合は、請負者側にも履行保証保険などに加入するように要求しましょう。 |
契約解除の条件 | 契約の解除の条件を確認しておきましょう。 |
工事の変更 | 打ち合わせどおりの工事が困難な場合どうするか確認しておきましょう。 |
暇痕がある場合の責任について | 暇庇責任の範囲と期間を確認しておきましょう。 |
住宅リフォーム工事標準契約書式の活用
書面による契約が結ばれない場合が多い小規模な住宅リフォーム工事を対象にした、工事標準契約書式(発行:住宅リフォーム推進協議会)の内容は以下のとおりです。
これらを活用しながら、施工業者との誤解を防ぎ、安心してリフォームに取り組みましょう。
「工事請負契約書」 | リフォーム工事の請負契約を締結するため、注文者と請負者が取り交わす書式です。 契約時には、「打ち合わせシート」「請負契約約款」を添付するほか、必要に応じて「見積書」「仕上げ表」「カタログ」などを添付します。 |
「工事請負契約約款」 | 請負者がリフォーム工事を請け負うときの注文書との取り決め事項を記載したものです。 |
「打ち合わせシート」 | 工事の内容について注文者と請負者の間で誤解が生じないよう、打ち合わせの際には必ず内容などを記録します。見積・契約時に、工事前現状や工事計画、見積条件などを記録します。 |
「見積書」 | 請負業者がリフォーム工事の内容、金額を明らかにする書式です。打ち合わせた工事内容や見積条件などを記載した「打ち合わせシート」を作成し必ず添付します。 |
「仕上げ表」 | 「見積書」に記載しきれない詳細な仕上げ内容について記載します。必要に応じて「請負契約書」や「見積書」に添付します。 |
「工事内容変更合意書」 | 工事内容などの変更を注文者、請負者双方が合意の上で行われたことを明確にするための書式です。 |
「工事完了・同確認書」 | 工事完了について請負者が注文者に報告し、契約どおりに工事が行われたことを注文者が確認するための書式です。 |
工事
いよいよ工事がはじまります
契約が完了するといよいよエ事がはじまります。工事中は何かと騒々しいものです。まずは、ご近所への挨拶や説明などの配慮を心がけましょう。 工事がはじまると専門的な部分も多くなり、施工業者や監理者といった専門家を中心に進められがちですが、「現場の確認」「エ事の変更」「工事完了後の確認」など忘れてはならない重要なポイントがあります。
自分の目で現場をチェックしましょう
住みながらのリフォームの場合は、常に工事の進行状況や内容を確認することができますが、仮住まいをしてのリフォームではときどき現場を訪れ自分の目で工事を確認する必要があります。特に大規模なリフォームの場合、工事には幾つかの工程があるため節目には必ず現場に出向き、計画通りに工事が進んでいるか確認しましょう。
工事の変更は再度見積もり、必ず書面で確認しましょう
リフォーム工事は実際に工事を行ってみないとわからない部分もあり、打ち合わせどおりの工事が難しい場合があります。こういった場合は、住まい手と施工業者お互いが納得するかたちで工事の変更を行います。また、変更の際には、必ず変更箇所の見積もりを取り、書面による確認を行うことが大切です。
工事完了後は施工業者と一緒に確認、記録を残しましょう
工事完了後は必ず工事責任者と一緒に、工事に不備がないか現場を確認しましょう。特に、住みながらのリフォームの場合は工事が終了した部分から使用しはじめるため、そのつど確認し、問題があればすぐに直してもらうか、後日直すよう文書で確認しておきましょう。工事の不備か使用による故障かがわからなくならないよう気をつけましょう。また、何も不備がなければ、工事完了確認書など必要な書類を取り交わし大切に保管します。